『すふらんのdialog』 ここは来てくださる皆さんと私の大切な出会いの場所 新田先生の作品『春を抱いていた』を中心に BL作品・声優さん・個人的趣味を綴っています

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本日はSS前編

2014 - 10/30 [Thu] - 14:55



本日のお話はお笑いです(^。^ゞ
当時 突然二人の声が脳内に聞こえてきて…そこに私が東京の原画展に行ったさい、皆さんとランチをご一緒した某ホテルのパーティールームを取り入れて書きました。
2005年の夏のことです。懐かしいなぁ~
まだスマホじゃなくガラケーの時代です(私は今でもそうですが(^.^)ゞ)
皆さんのお耳にも、あのお二方の会話っぽく聞こえてくれればこれ幸い(笑)
なお、無駄にだらだら長いので(苦笑)前後編にわけてアップさせていただきます。
途中で飽きてきちゃったらすみませんf(^_^;

あ、そうそう…
ご存知のようにうちは単なるブログでサイトの形じゃないので、たとえばSSばかりを見ようと思うとカテゴリーわけから順番に進んでもらうしかありません。
以前何度かサイトにする気はないのかとお尋ねいただいたのですが、私のようなアナログ人間にはブログくらいがちょうどいいみたいで、面倒くさくてすみませんf(^_^;

では よかったら読んでやってくださいませ。
特に後編、おバカな香藤くんが大好物の方に笑っていただけたら嬉しいです♥









                  ──  水 中 花 ──




「うっわぁ~~ やっぱきれい!!

これにして良かった。正解。

ん~っ 涼しげでいいね! 

岩城さん、喜んでくれるかなぁ」

 
夕方の5時を過ぎたというのに、外はまだうだるような暑さが続いていて、
灼熱のアスファルトの照り返しは、いまだそのなりを潜めず、
日中の熱気を辺りに撒き散らしていた。


 カナカナ カナカナ カナカナ …


どこかでヒグラシが鳴いている。
先程帰宅した香藤は、帰りに買い込んで来た食材をいったん冷蔵庫に片付けてしまうと、何軒かの店をまわって買い求めてきたグッズ類をテーブルの上に並べてみた。
ガラスでできた円筒形の器、ビー玉、花。
そう、水中花だ。
各々をぶつけないようにセッティングし、フィニッシュに水を注ぎ込み、
夏らしい納涼グッズの出来上がり。
 

ようやく空調の効き始めた快適なリビング。
香藤はクッションを胸に抱え込み、テーブル上の涼しげな花に目を細めながら
満面の笑みで愛しい男の顔を思い浮かべる。
そのまましばしソファーの上の住人となっていた香藤だったが、
ふと、テーブルの端から落ちかけている自分の携帯に目がとまった。


「あっ!そうだっ、岩城さんにメールメールっと♪」


携帯を手に取りいそいそと文字を打ち込み、


「愛してるよっ、岩城さん!」


のかけ声と共に送信ボタンを押した。
携帯を置く前に、いったんその手を止め 待ち受け画面に微笑む。
いつもの香藤の癖。
そこには世界でたった一枚、自分だけに向けられた岩城の幸せ顔が。
 
 
 ブルブル…


「えっ?」


メールを打ち終わって1分も経たないうちに香藤の携帯が振動し始めた。


『ゲッ?! まだバイブだった!』

 
慌ててテーブルに手を伸ばした香藤の顔が、一瞬にしてパァッと輝く。
ディスプレイには “着信 岩城さん” を告げる文字が。


「ハイッ!」


『っ、かと?』


「うん!俺 」


『えらく取るのが早いな』


「へへん。でしょ?

でもまさか 岩城さん?って思っちゃったからさ、俺 無駄に慌てちゃったよぉ」


『はぁ?なんで慌てるんだ?変な奴だなぁ』


「変な って───もうっ、失礼しちゃうなぁ…

岩城さん、恋する男心がわかんないの?」


『わかりたくないが…(←小声)』

「も~~っ、岩城さんの意地悪。

あ、でも…なんか珍しいよねぇ。

こんな時間帯に岩城さんの方からかけてきてくれるなんて。

…ねぇ…まさか何かあったんじゃないよね?」

『ん? いや、別に何もない。

おまえ、相変わらず心配症だなぁ。

でも、そうか?珍しいか?』

「うん。珍しいよ、この時間帯はね。

でも、良かった~俺、すっごく嬉しいよ。

電話してくれてありがとっ 岩城さん!

あっ…と…でも今 休憩時間だよね?」

『ああ、今ちょうど休憩に入ったところだ。

上着のポケットから携帯を取ろうとしたら、ちょうどおまえから来てて…

俺もちょっとびっくりしたんだ』

「ほんと? やったぁっ!俺ってラッキー!!

やっぱ、愛だね、岩城さんっ。
 
夫婦の深~~い絆!なんちゃって。

か~っ!萌えるぅ~~っ!! 」

『……・・・また おまえは』

「あれれ?岩城さん。ま~た照れちゃってる?  岩城さん──」

『香藤っ!』

「可愛いっ!! アハハハハハハ」

『ばっ…だから!それはやめろって。

全く、おまえは………

・・・コホン……あーそれより何だって?水中花?』

「うん!今日ちょっと思い立ってね。

えと、岩城さん?今 喋ってていいの?」

『ん?ああ、構わない。しばらく清水さんも席はずしてるし』

「そ?良かった♪

あのさ、今日 俺 日○レの撮りだけだったでしょ?

共演してる事務所の先輩がね、偶然同じ上がりだったんだ。

でさ、共演してる新人の子達と一緒に飯でもどう?てお誘いがあってね。

岩城さんの帰り、夕方以降だってわかってたからさ。

せっかくだしね。なんかこういうのってこの業界じゃ結構珍しいし。

新人の子達も喜んでたよ」

『そうだな。俺たち普段、あんまりそういう機会ってないからな。

日○レの近くっていうと──新橋の辺りか?』

「そっ!新橋の近くの○○ホテルのパーティールームなんだけど、

すぐに予約取れてさ、昼間だとああいう場所は穴場だね。

いい感じの部屋だったよ~ 黒系でまとめてあって落ち着いた感じ?

あそこなら仲間内で騒げるし、夜なんかもいいだろね。

また今夜詳しく話すから、岩城さん聞いてね!」

『クス…ああ』

「おっと…でね、そこに水中花が置いてあったんだ」

『え? ああ、なるほど。

それでおまえも欲しくなって───帰りに買って帰ったと』

「ゲッ……話 はやっ! って、早過ぎない?

岩城さん、俺のことほんっとよく解ってらっしゃいますです。ハイ。

でも、なぁんかちょっとヤな感じ?アハ、アハハハ……」 

『プッ…おまえの行動パターンくらい、俺がわからないとでも思うのか?』

「ひっひ~~ん た・し・か・にっ!

だって、毎日こう暑いと気分だけでも涼しくしたいじゃん?

それ見ててさ、俺 うちにも欲しいなぁ~なんて思っちゃったんだよ。

あ、でもすっごく綺麗なんだよ?涼しげでさ。いいよぉ~」

『そうか…おまえが選んだなら…どんな感じなんだ?』

「あのね、外のガラスの器が結構おっきな円筒形なんだ。

そこにね、お決まりのビー玉とか葉っぱ沈めて…

選んだ花が薔薇なんだよ?

普通、水中花ってトロピカルな感じの花が多いでしょ?

でも俺、あえてそういうらしくなさそな感じ?を探してみたんだ。

ちょい時間かかったけどさ」

『ほぉ…おまえにしたら えらく拘ったもんだなぁ』

「あ? おまえにしたらって───岩城さんひどいよう、愛する俺に。

この暑いのにメガネかけて帽子被って、結構苦労したんだよ?
 
そんなこと言うんだったら……今夜苛めちゃうから。いいの?」

『ばっ、バカ!昼間っから何バカなこと言ってんだ! 』

「ハイハイ。 (もう~岩城さん可愛いんだから←小声) 

いいよもう。一応許してあげるから」

『何? 許してあげる?

…香藤、なんで俺がおまえに許してもらわなきゃいけないんだ』

「ああ~ん! もう!岩城さん、そこは流すところなの!

それより、ねっ。何色の薔薇だと思う?」

『…~…(←ため息)さぁ、何色なんだろなぁ。

おまえがそんな風に聞いてくるってことは…

赤やピンクじゃない、てことか?』

「そっ!さすがだねっ、岩城さん。 だったら、何色だと思う?」

『そうだな。 さっきおまえが涼しげで、て強調してたから…

ん…水中花か……

黄色でもないし、紫っていうのも案外ありきたりだし。

ん? あ、ひょっとしたら青系。水色だったりするのか?』

「えっ?!  …ピンポン…

すごっ…すごいよ岩城さんっ!! よっくわかったねっ!! 」

『っ……』


一瞬思わず、耳から遠ざけた携帯を睨む岩城。


『香藤、そんな大声で…音 割れたぞ?』

「えっ?ほんと?

ごめんごめん。つい興奮しちゃった。ごめんなさい。

でもその通り。きれいな青と水色の薔薇なんだよ!」

『プッ…そうなのか?

しかしおまえ、そんなに興奮しなくても。

おまえももう三十路なんだろ。
 
少しは自分の歳も自覚しろよ?』

「もう!岩城さんったら さっきから俺のこと───

ねぇ、 何吹いてんの?!」

『アハハハハ………怒るな香藤』

「もうっ! ずるいよ岩城さん」

『クククッ………(…香藤、大好きだ)

おまえに選ばれたその青薔薇に、俺も早く会いたいよ』

「いっ、岩城さんっ(ズッキュ~~ン)」

『しかし、何というか…』

「ん?何?」

『おまえの格好』

「え?」

『ソファーの上でクッション抱えて足バタバタさせてるだろ』

「ええっ?! なんでわかんの?

あっ、ひょっとして岩城さん?どっかから俺のこと見てたりして」

『バカ、そんなことあるわけないだろ』

「あ、またバカって言ったぁ。むぅ~~っ

でも、だよね~~アハハハ……

すごいよ 岩城さん。俺のことなら何でもわかっちゃうんだから」

『ああ、おまえ限定だ 』

「っ!?! 」


3秒後、ボフッとクッションに赤い顔を埋めながら完璧に溶けた香藤。


『香藤、どうした? かとっ?』

「俺、もうダメ………岩城さんったら、ほんっとにもうっ」

『えっ?何だって? 香藤、今度はよく聞こえなかったぞ?』


 んも~…たまんないよ 俺っ


「いいのいいの!それより岩城さん、早く帰って来てね!

俺 さっき買出しもしてきたから、今夜は美味しい夕食用意して待ってるよ」

『ん?そうか?(…・・・何なんだ?)

わかった。 じゃあ悪いけど、頼む』

「了解!」


  …………
 
  (あ、はい)


『香藤? すまん。今 清水さん戻ってきてちょっと打ち合わせだ。

たぶん7時頃には帰れると思うから』


「わかった! 仕事、頑張ってねっ!

あ…岩城さん?俺 長電話させちゃったみたいで、ごめんね」

『いや、いいんだ。 俺も…』

「愛してるよ」

『ああ、俺も……じゃ…』

「ん!」


香藤は軽いリップ音を送った。
そしてまた、切れた携帯の待ち受け画面の岩城を優しい笑顔で見つめる。

 
「俺ってほんとに幸せ者…」


ぼそっとそうひと言呟いた香藤は、もう一度クッションを抱え直しながら、
蕩けそうな笑顔で宙を見つめた。
その幸せな余韻にもっと浸っていたい香藤ではあったが、岩城の帰宅までに
しなければいけないことは山積みだ。
二人一緒の在宅時にはなるべく雑事に時間を取られたくない。
二人だけの時間を大切にしたいから。
そして、少しでも岩城の体を休ませたいから。
やれることは全てやっておくのだ。
岩城の為なら家事全般なんのその。何の苦痛も感じない香藤であった。


「よっし じゃ、頑張るとしますか!」


ニヤけた顔を瞬時にやる気満々の男前に変化させた香藤。
前髪の一箇所をちょいとピンで留め、少し伸びてうざくなり始めた後ろ髪を
ふわふわゴムでキュッと括る。
主夫業開始だ! 

 
まず、腕まくりよろしく家中に掃除機をかける。
乾燥機から取り出した洗濯物をたたんで各場所になおす。
キッチンで料理の下ごしらえをしつつ下味を付ける。
愛しい愛しい岩城の為に、今夜は愛情一杯の和食の予定だ。
おっと二階も忘れずに。整理整頓、寝室のベッドメイキング等々。
家中を目まぐるしく動きながら、香藤は精力的に家事をこなしていった。

食事の準備が大方整う頃には ようやくあたりにも夕闇が訪れ、
蝉時雨は続いているが 外の熱気もだいぶ落ち着いてきたようだった。
忘れずに、岩城の育てている草木にも水を撒いた。
一瞬ムッとした蒸気にかえって温度が上がったように思えたが、
しばらくすると涼しい風が吹き始めた。

心地よい風にほっと息をつきながら、明るい夕暮れの空を仰ぐ。


「ん~今日もお疲れさん!

今夜はいい月夜になりそうだね。

…おっと。ヤバイヤバイ、風呂!

岩城さんが帰ってきたら、すぐに入れてあげたいから…

俺も汗臭いし。一緒に入っちゃおっかな~ンフッ

またマッサージしてあげるからね。

夫婦水入らず…ク~~ッ!萌える~~~っ!! 」







(後編に続く)

2005年8月
2014年10月再掲載にあたり加筆修正しました




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Author:すふらん
BLが、JUNEと呼ばれていた頃からのドップリこっち人間。
色んな作品に嵌ってきたけれど、今は新田先生の作品、
とりわけ春抱きが生活の中心。
好きな声優さんは一杯いますが、現在のマイブームはやはり森川さんや三木さん。
関俊さんは20年以上のファン。

画像は我が家の春抱きドール達♥

★すふろーぐ★2008.5.14開設

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